お盆

絞り
木桶
陶器
創作家具
装飾品
練朱肉・
  朱おとし
ろうそく燭台

注文方法
名古屋嫁入道具について
 
---- お二人が出会ったきっかけを教えてください。
舟橋 辰朗
Tatsuro Funahashi
立松 貞芳
Sadayoshi Tatematsu
舟橋:

「未来の家具デザインを追求している木工家集団でknots(ノッツ)という優秀なグループがあるんですが、(※knotsのメンバーは創作家具を手がけています。詳しくは創作家具のページをご参照ください)彼らが昨年、橦木館で第1回の展覧会を開催しました。その時に座談会があり、たまたま立松さんの会社の若い職人さんと一緒だったんです。話をしてみると、大変意欲的で、一目惚れしました。以前から伝統技術を次の世代に残していきたいと思い、さまざまな技術と関わってきましたが、桐ダンスだけは願いながらも今までチャンスがなかったんです。桐ダンスで有名な立松家具の若い職人さんと出会って、この時だと思いましたね。」

----

どうして桐ダンスに関わりたいと思われたのですか?
舟橋: 「桐ダンスはとても日本的な家具だと思うんですよ。しかし時代を経るうちに、桐ダンスは私たちの生活から離れてしまっています。魅力ある桐ダンスをずっと使っていくものにしていきたい。それには伝統技術が必要です。でもそれだけでは洋風化した日本の暮らしには、受け入れてもらえない。やはり、時代にあうスタイルにすることが大切で、そこにデザインが必要になる。立松さんと一緒に取り組む意味が、そのあたりにあると考えています。」
立松: 「バブル崩壊後、高級桐タンスの需要が減り、伝統技術を守る職人も減っています。そういう背景からも、新しい試みは必要な時期ですね。」

----

時代にあうスタイルとは、どういうものでしょうか?
舟橋: 「タンスは納戸に置いてあることが多いですね。人の目に触れにくいところにあって、いいものをもっていても、その人にしかわからない。それをもっと見えるところに引っ張り出したいと思ったんです。それに最近では、衣装の収納もワードロープのように、つり下げ方式に変わってきています。タンス自体の役割も変えないといけないと思うんですよ。」
立松: 「確かに、桐ダンスは今まで大切な着物を納める道具でしたが、着物をあまり着ない現在では違う視点が必要ですね。今回の桐タンスでは、新たな提案が盛り込まれているんですよ。」

----

今回の作品にはどんな特長がありますか?
舟橋: 「桐タンスを、人の目に触れる場所として、居間に置いてもらおうと考えました。まず大きさですが、少し小振りにつくっています。というのも、今の生活空間が昔より小さくなっているため、合わせているんです。居間に置くなら、多分後ろは壁になりますし、小物や絵画を飾ることも想定して、高さも低めですね。」 桐タンス

----

引き出しにも工夫がされているようですね。
舟橋: 「そうなんです。居間に置くなら、ハンカチやネクタイといった小物をはじめ、CDケースなどのパソコン関係も入れるかもしれない。使う人が自由に収納できるように、引き出しの深さを変えてみました。また、把手のところは汚れにくい素材に変えて、少し大きく使いやすくしています。」

立松:

「今のライフスタイルに合わせると、細かい部分まで仕様が変わってきます。舟橋さんの気持ちを最大限くみとるために、伝統技術を活かして、新しい表現をしています。これを機に、より多くの方に桐タンスに触れていただき、本物の良さを知っていただきたいですね。」

----

良い桐タンスの条件を教えてください。

立松:

「桐タンスは、10段階ほどランクがあり、桐が使われている部位が増えるごとに、高級になっていきます。一番ランクが低いと、正面だけ3ミリ程度の桐を貼り、そのほかはモミやスギなどが使われています。最近では、桐ベニヤを使っている場合があります。桐ベニヤとはベニヤの両面に桐を貼ったもので、あたかも桐の一枚板のように見せているのです。」

----

桐ベニヤかどうかはどうやって見分けるのですか。
立松: 「上手く貼り合わせてあるので、玄人でもわかりにくいですね。あえていうなら、引き出しの表と裏を見ることです。木目柄が違っていたら、それは桐ベニヤです。」
舟橋: 「つくる側も努力していますが、買う側も知識を増やして、良い家具を選ぶといいですね。」

----

本当にそうですね。特に若い方は、桐の良さをご存じない方が多いと思いますので、その辺も教えてください。
立松: 「まず、日本の気候に合っていることですね。桐は息をしています。外の湿気が多いときには、湿気を吸ってふくらみ、少しの隙間でも埋めようとします。そうすることで、衣類を湿気から守るんです。伊勢湾台風の時、海につかった桐ダンスを開けてみると、中の衣類に全く水がかかっていなかった。そういう例もありましたね。」

----

燃えにくいと聞いたことがありますが。

立松:

「そうなんです。表面はすぐに燃えますが、その奥はなかなか燃えないですね。火事の時、洋ダンスは燃えても、隣にあった桐タンスが燃えなかった。そういう例はよく見ています。だからお客様には、大切な衣類には桐がいいとすすめています。それに桐は軽いですので、ものをいっぱい入れても扱いやすいですから。また防虫性が高く、耐久性も高いんです。総桐ダンスなら、30〜40年ごとにメンテナンスすれば、3代はもちますね。」 桐タンス

----

桐という素材はタンス以外にも用途がありそうですね。

立松:

「全国の桐タンス屋さんは、さまざまな試みをしているようですよ。私も、桐の年輪や木目を活かしたイスやサロンテーブル、飾り棚など、いろいろな用途に桐を使った試みをしています。」

舟橋:

「昔から桐はタンス以外に、茶器のいれもの、つぼ、額、巻物などに使われていましたね。最近では桐のカバンをつくっている桐タンス屋さんもいます。アイデア次第でいろいろ面白いものができると思いますね。次はこのように桐を生かした小物の開発に取り組みたいと考えています。」
---- 今から楽しみですね。本日はありがとうございました。
 
舟橋 辰朗(Tatsuro Funahashi):
1986年より(株)中部デザイン研究所の代表取締役を歴任後相談役、Gマーク審査委員、愛知県・三重県・石川県の技術アドバイザー及び名古屋市新事業支援センター専門家委員。名古屋芸術大学講師歴任後、愛知県立芸術大学講師でもある。
所属団体:(社)日本インダストリアルデザイナー協会/中部デザイン協会/協同組合愛知デザインユニオン
主な受賞:
1981年
松屋デザインフォラム銀賞
1994年
スロベニヤBIO-14展入賞
1998年
第25回国井喜太郎賞受賞 など
立松 貞芳(Sadayoshi Tatematsu):
1933年1月22日生まれ。中村区にあるタンスメーカーに10年修行後、昭和34年に独立し、立松家具を創立。高級桐タンスの伝統技術を守りながら、若い職人の育成にも力を注いでいる。伝統工芸組合の2代目理事長。
 
All Rights Reserved,Copyright(C)2008 Chubu Design Research Center Inc.